花瓶：ブレス

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1931年にデザインされたニワトリモチーフの花瓶。ニワトリをアール・デコスタイルにデフォルメさせ、連続的に描くことで渦巻いたような幾何学モチーフへと昇華させたデザイン。1920年代に入ってから当時のラリック社で使われ出したデザイン手法で、モチーフを変えて同系統デザインの様々な花瓶がリリースされました。1931年に同系統のデザイン、サイズの5種リリースされたましたが、その中の1種です。

ブレスとはフランスの古い州の名称です。野生動物や淡水魚が豊富で、ニワトリの品種ブレス鶏で有名。ブレスの名を冠したブレス・ブルーという商標のブルーチーズも生産されているそうです。

この作品には対になるデザインが確認されています。「ブレス」はニワトリが下を向いたデザインですが、「ル・マン」というデザインの花瓶は同形状同サイズでニワトリが上を向いたデザインで製造されています。

通常クリアガラスとパチネ彩色で製造される作品ですが、今回入荷した個体はアンバー色の色ガラスで作成された非常に珍しい作品。型吹き成型でボディを作成した後、型の溝の部分にフロスト加工を施すのですが、艶消しをしない部分とのコンストラストが非常に美しい仕上がりです。クリアガラスで製造されたモデルよりもハッキリと陰影が浮かび上がっています。

レゾネno.1073