花瓶：アヴァロン

Vase « AVALLON » アヴァロン

1927年にリリースされた花瓶「アヴァロン」。あまり聞き馴染みのない名称ですが、フランスのブルゴーニュ地方の町の名が由来となっています。別名 ''Oiseaux et raisins'' 「鳥と葡萄」とも呼ばれ、読んで字の如く鳥(おそらくスズメ)をモチーフにした作品です。

光沢のあるオパルセントガラスを基本としプレス成型で作成された花瓶で、プレス成型特有のガラスの厚みのある部分に濃いブルーの発色が出ています。クリア仕上げとフロスト加工のコンビネーションで美しい陰影が出ています。

底部の若干のスレはありますが、内部のガラス質は綺麗な状態で、花瓶としてして使用された形成はほぼ見当たりません。非常に良いコンディションです。プレス成型特有のどっしりとした安定感のある花瓶。ラリックの花瓶作品群の中では中型に該当し、サイドボードなどの大型家具の上に単体で飾っていただいても飾り映えするお品です。

アール・デコ博覧会が開催されたのが1925年。この博覧会で一気に名声を得たラリックはこの年以降、旺盛に作品をリリースしていきます。その2年後である1927年はラリックのアイコニックな作品であるバッカスの巫女、ピエールフォン、ベルクール、オラン、ランピオンなどの名作が次々と埋まれた年です。

レゾネno.986