花瓶：矢車菊

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1914年にリリースされた花瓶「矢車菊」。クリアガラスを基本素材としプレス成型で作成された花瓶で、矢車菊のモチーフを鋳型で表現し、さらにフロスト加工を施した部分にパチネ彩色を。初期ラリック作品特有の仕上げです。当作品はオパルセントガラスのモデルは存在しなく、クリア&フロストガラスにパチネ彩色が施された作品のみが流通しています。

使用感はほぼ見当たりません。非常に良いコンディションです。クリアガラスの花瓶モデルは使用感が激しいと花瓶内部に白濁が残っていることが多いですが、そういった形跡はありません。花瓶底部の擦り傷もほぼ見当たらず、ずっと箱に入れて保管していただけなのでは？と思われるような美しい保存状態です。

矢車菊はフランスを象徴する国花でもあり、古くからフランスで親しまれてきたモチーフです。フランス国旗の色が青＝矢車菊、白＝ヒナギク、赤＝ヒナゲシの花で表現されるとされています。

逆円錐のすり鉢状の器型が非常に美しく、後年のラリック作品と比較すると素地が薄地でアール・ヌーヴォーの雰囲気を留める優美なデザインが特徴的です。矢車菊のモチーフはラリックの初期の代表作である花瓶「トカゲと矢車菊」1913年や印章、蓋物、ブローチなど多岐にわたる作品で用いられたアイコニックなモチーフです。

レゾネno.909

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